目次
- 1.瑕疵担保責任の対象となる部分
- 2.住宅かし保険の加入手続きは誰が行う?
- 3.工事中に検査が行われます
- 4.保険料はだれが払う?
- 5.保証されるのは欠陥だけ?
- 6.瑕疵が見つかった場合はどうする?
- 7.10年目以降は瑕疵を発見しても賠償請求権は消滅します!!
「契約不適合責任」では「契約に適合しない内容」について売主に責任を問うことができます。
新築住宅の場合、住宅事業者は引渡しから10年間「瑕疵担保責任」を負うことが「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」よって定められています。
「瑕疵」とは設備の故障など建物に何らかの欠陥があることをいい、新築住宅においては「構造体力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」の欠陥に限られています。
住宅事業者は、この責任の履行のための資力確保の手段として「国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人の住宅かし保険の加入」もしくは「法務局等の供託所への保証金の供託」のいずれかの措置をとることが法律で義務化されています。ー住宅瑕疵担保履行法ー
万が一、住宅事業者が倒産してしまったあとに瑕疵が見つかった場合でも保険金や保証金で
修理費用がカバーされます。
1.瑕疵担保責任の対象となる部分
「株式会社ハウスジーメン 国土交通大臣指定住宅瑕疵担保責任保険法人 第5号 ホームページより」
2.住宅かし保険の加入手続きは誰が行う?
住宅事業者が行いますので買主は特に手続きをする必要はありません。
3.工事中に検査が行われます
「住宅かし保険」に申込んでいる新築物件の場合、工事中に専門の検査員(建築士)による検査が行われます。
4.保険料はだれが払う?
保険料は住宅事業者が支払いますが、通常、施工費用(売買費用)に含まれますので買主負担となります。保険料は6万円~8万円です。
5.保証されるのは欠陥だけ?
欠陥を修理するための工事代金以外にも、修理のための調査費用、工事中の仮住まい費用、引越し代まで含まれます。
支払われる保険金の上限は2,000万円です(オプションで2,000万円超も可能)
6.瑕疵が見つかった場合はどうする?
【住宅事業者が保険制度を利用している場合】
- ▶ー引渡時に住宅事業者から瑕疵保険付保証明書が渡されますー
☆住宅事業者が健全経営の場合
買主が住宅事業者に補修を請求します
⇒住宅事業者は補修完了後に保険法人に補修費の請求をします
⇒保険法人から住宅事業者に補修費用が支払われます
☆住宅事業者が倒産していた場合
買主が直接保険法人に補修費を請求します
⇒保険法人から補修費が支払われます
【住宅事業者が供託制度を利用している場合】
- ▶-供託所は工事請負契約書(売買契約書)に記載されますー
☆住宅事業者が健全経営の場合
買主が住宅事業者に補修を請求します
⇒供託金から住宅事業者に補修費が還付されます
☆住宅事業者が倒産していた場合
買主が補修費の還付を供託所に請求します
⇒供託所から補修費が還付されます
7.10年目以降は瑕疵を発見しても賠償請求権は消滅します!!
瑕疵担保責任による「構造体力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」の欠陥に
対する賠償請求権はマイホームの引き渡しを受けてから10年経過で消滅してしまいます。
そこで気をつけておきたいことは10年を経過する前に住宅の点検をしてみることです。
たとえば「雨漏り」などは時間をかけてゆっくり進行するので気が付いたときには構造部分が濡れて腐っているかもしれません。その場合、耐久性が思った以上に低下し耐震性に大きく影響することも考えられます。引き渡しから10年というとメンテナンス時期にもあたりますので、屋根やコーキングの劣化の状況なども併せて確認し、必要なメンテナンスを実施する必要があります。その機会を利用して瑕疵がないかチェックすると良いでしょう。
住宅の点検といっても素人目にはなかなか難しいものですが、専門家の手によるホームインスペクション(住宅診断)を利用するのもよいかもしれません。