目次
- 1.いまからお話しすることは実話ですが・・・
- 2.このようにならないために
家族も増えたし、そろそろ「おうちを買いたいな」と思った時、その準備は何から始めるでしょう。
✔住宅展示場を見に行く
✔ネットでハウスメーカーの物件の特徴を調べる
✔間取りや性能を考える
夢は広がりワクワクしますね。
でもちょっと待ってください。
住宅展示場のモデルハウスの前に建築価格は表示されていますか?
ネット検索したハウスメーカーの住宅の商品ラインナップや建築事例に建築価格は表示されていますか?
モデルハウスを見に行って具体的に話が進み、営業マンから「月々の住宅ローンの返済額が今払っている家賃と同額だからこの家を買っても大丈夫です。」といわれたらどうしますか?
ホントに買っても大丈夫でしょうか?
住宅を購入した先の家族の状況は今と変わらずいられるでしょうか?
食費も教育費もあまりかからない小さい子供も中学・高校・大学と進み教育費も莫大にかさんできます。
親が病気になり思うように仕事ができないかもしれません。
今後ますます働き方改革が推進され、残業が減り年収が減ってしまうかもしれません。
まさかのリストラが待っているかもしれません。
1.いまからお話しすることは実話ですが・・・
家を手放さなければならないでしょうか?
と今にも泣きそうに相談にいらした奥様がいました。
住宅購入当時のご主人の年収は1,000万円。
10年近く前に5,500万円の家を購入。
500万円頭金を入れ、1,000万円分をボーナス払いにして4,000万円分を月返済、合計5,000万円の住宅ローンを組みました。
家を購入する時は月返済額も家賃より少し低いし、ボーナスもあるから大丈夫と考えたそうです。
その後、景気の減退で毎年毎年ボーナスが減少し年収は減っていきました。
子どもも小さく、奥様もパートに出ましたが月10万円を稼ぐのがやっとの状態です。
ボーナス返済月には月返済額+ボーナス返済額で50万円を超える返済になってしまい、家計が回らなくなっていました。
ボーナス払いをなくして月払いにしたいところですが、そうすると月の返済額が増えてしまいます。
住宅ローンの借り換えでは、いま組んでいる住宅ローン期間の残年数以内でしか借換の住宅ローンを組むことができないのが通常ですが、新たに35年ローンで借換のできる金融機関がみつかり、期間を35年に延ばし、すべて月返済の住宅ローンに借換して何とか事なきを得たのです。
始めにローンを組んだ時から10年近くが経過し、住宅ローンの残債が多少減っていたため月返済額もそれまでのローンの返済額とほぼ同じだったので、家を手放すことなく住み続けることも、ローンの返済もすることができました。
⇒問題点を見てみましょう
将来を見据えた資金計画がなされていなかった
- ・ボーナスは変動する部分であり、ボーナス返済を多額に入れるのはNG
- ・ボーナス同様に残業代が多く年収に含まれている場合も要注意(残業がカットされたら年収も大きく減)
⇒もしも家を売って住宅ローンを完済しようとしたら
たとえば、売りたいときの住宅ローンの残債が4,000万円だったとして、自宅の評価額 (市場評価額)が4,000万円を超えてローンの残債を一括返済できる場合は(アンダーローン)、 金融機関は抵当権を抹消して売却を承諾するでしょう。
しかし、評価額が住宅ローン残債を下回っていた場合(オーバーローン)、金融機関は残債を回収することができないので強制的に任意売却または競売にかけられることになります。家を売っても住宅ローンの残債と売却額の差額の部分は返済を続けることになります。家を売ってしまったので、賃貸を借りる家賃も支払わなければなりません。家の購入価格のほとんどを住宅ローンで利用した場合はオーバーローンになる場合がほとんどです。
2.このようにならないために
家の購入を決めたら、まず資金計画を立てることです。
どのように資金計画を立てるかというと、子どもの入学や車の購入、退職などこれから家族に訪れる「ライフイベント」を把握し、家計の収支がどのように動き、老後の暮らしはどうなるのかということをお金という数字で把握していくことです。
そのためには、まずはファイナンシャルプランニングをし、安全に返済できる住宅ローンの額はいくらなのか、そこから考えて「いくらの家が買えるのか」を充分に検討することです。
そして、適切なファイナンシャルプランニングをし、ハウスメーカーの特徴・価格帯を熟知している専門家にアドバイスを受け、安心して家探しをすることが肝要です。
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