目次
- 1.「工事請負契約」を結ぶまでのスケジュール
- 2.「工事請負契約の時に確認すべき事項」
注文住宅を建築する場合、ハウスメーカーや工務店など建築を依頼する建築業者と「工事請負契約」を結びます。
「工事請負契約」とは〈どのような家〉を〈どのような条件〉で建てるのかを明確にするとともに、トラブルを避けるための重要な契約となってきます。
1.「工事請負契約」を結ぶまでのスケジュール
- 1.資金計画(予算を決める)
- 2.ハウスメーカー選び
住宅の好みや予算に合ったハウスメーカーの選定 - 3.住宅ローン事前審査
住宅ローンが借りられるか事前に審査を受けます。
*事前審査に通ったからといって、必ずしも本審査に通るとは限りません。 - 4.仮契約(申込み)
一般的に10万円程度の申込金を支払います。 - 5.間取り図・仕様書の作成・変更
希望の間取りやデザインを図面にして提示します。 - 6.概算見積書の作成
作成したプランなどを元に概算の見積もりを出してもらいます。
ここで、建築費が希望予算内で収まるようにプランを調整することが重要です。
納得のいくまで打ち合わせをします。 - 7.最終的に予算に合わせた見積もりの提示
最終的な予算が決まってから「工事請負契約」をします。
ここまでの段階を丁寧に進めることが重要です。早く契約に持っていきたい営業マンは「細かい打ち合わせは、契約の後にしましょう」と言ってくるかもしれませんが、建物の価格がはっきり決まらないうちに契約をしてしまうとどんどん予算が上がってきたり「言った・言わない」や「間取りや使用が希望と違うなどの「トラブル」に発展してしまいます。
「契約は細かい打ち合わせの後」が鉄則です。 - 8.「工事請負契約」(本申込み)
工事請負契約書を交わす。建築工事着手金として100万円程度入金するのが一般的。 - 9.住宅ローン本申込み
2.「工事請負契約の時に確認すべき事項」
「工事請負契約書」のほかに「工事請負約書約款」があるかどうか確認してください。「約款」を用意しない業者は危険です。
1.工事請負契約書チェックポイント
- *建築価格と仕様が明確に決まっていますか(工事請負代金)?
- *注文者と工事請負者・工事監理者・建設工事場所・工事請負代金・着工日・完成日・工期引渡し日が記載されていますか?
- *注文住宅の建築代金は「契約時」「着工時」「上棟時」「引渡時」数回に分けて支払うことがほとんどです。支払いのスケジュールと金額は明確になっていますか?
- *住宅ローンのローン特約が付いていますか?
工事請負契約後に住宅ローンの融資がおりなかった場合に「この契約は白紙にしますよ」というものです。
「融資を申込む銀行名」「支店名」「借入額」「金利」「固定・変動の種類「借入期間」「融資承認をもらうまでの期限」など詳細に記載されていますか。
もし上記事項に於いて空欄だらけで金融機関としか書かれていなかった場合、あまり筋の良くない金融機関であったり、金利の高い金融機関であったとしても「審査が通る以上は借りてお金を払ってね」ということになってしまい、住宅ローンで首が回らないということになってしまいます。ココとても重要です
2.工事請負契約書約款チェックポイント
- *契約の解除と違約金
- 万が一、工事中に契約を解除するようなことになってしまった場合に備えて、しっかり確認しておきましょう。
また、請負者のミスにより工期が大幅に遅れて契約の引き渡し日までに引渡しできないということがあった場合の違約金についても取り決めておくことが必要です。 - *施工の技術基準
- 図面や仕様書に表記されていないハウスメーカーの基準や建築基準法や関係法令を遵守することなどを取り決めておきます。
- *工程表
- 仕様書や平面図・立面図などの設計図面と現場の状況が適合しない場合にどのように対応していくか取り決めておくことが必要です。
請負者のミスであれば、その補修やそれによる工期延長などの負担についても取り決めておく必要があります。 - *瑕疵担保責任とアフター保証
- 注文住宅を建てる際は、法律で最低10年間の保証(瑕疵担保責任)をつけることが義務とされています。また、それとは別に、工務店・ハウスメーカーで決めている保証期間・基準がありますので、明確に記載されているか確認しましょう。
- *災害や台風による損害
- 引渡しが終わるまで、火災の場合は請負会社が責任を持つのが一般的ですが、地震など自然災害においては施主負担となるケースも多いので負担割合等を明確にしておきましょう。
- ☟詳しくは併せてお読みください
「まさか!!建築中の住宅が火災にあったり損壊になってしまった・・・改めて建築する費用はだれが負担するの?」
- *第三者損害
- 工事中に通行人にけがを負わせてしまったり隣に被害を与えてしまった場合の責任について、請負者が責任を負うということが明確に書かれているか確認しましょう。
- *完成検査の実施
- 建築基準法に基づく完成検査を受けて、完了検査証の交付を受けること、施主による検査を行う機会を設けることホームインスペクション等第三者の完成検査の立ち合いを許可することの記述があるか確認しましょう。
- *上記、記述がない場合は請負者と充分に話し合い取り決めをして記述してもらいましょう。
- *「契約書チェック」「約款チェック」「契約立ち合い」をする専門家もいますので、事前にチェックをお願いするのも安心です。