目次
- 1.玄関
- 2.家の中全体
- 3.浴室・トイレ
- 4.キッチン
- 5.ベランダ
- 6.・・・おわりに
マイホームを購入する年代で多くを占めるのは30代、「子育て世代」です。
マイホームは「子育ての場」であり「子どもの遊び場」でもあります。
厚生労働省「人口動態調査」によると「ころぶ」「落ちる」「ものがつまる」「おぼれる」「やけど」など0歳から14歳の事故発生場所の31%が「住居」です。
0歳時に限って言えばその比率は56%になります。
「おうちを建てる」時にもっとも重要な「子どもに安全な住まい」を考えてみましょう。
家庭内事故を防ぐための注意点を場所別にみてみましょう。
1.玄関
- ハイハイの赤ちゃんや小さい子どもが「落ちる」といった危険を防ぐため「上がり框(あがりかまち)」の段差を少なくする
*上がり框とは玄関の靴を脱いで上がるところの横木を指します。
*国土交通省「バリアフリー住宅」の基準では戸建て住宅の場合18cm以下が望ましいとされています。 - 門から玄関への段差は階段を低く設定する・スロープを付けるなどすると安全です。
- ドアで万が一指を挟んだ時もケガをしにくい構造のドアにすると安心です。
*玄関だけでなく、家中の引戸や開きドアに採用を検討しましょう。
2.家の中全体
- 部屋・浴室・トイレなどの出入りはつまづき防止のため段差を抑えた設計にします。
- 子どもがコンセントにヘアピンや鍵などの金属片をいれてしまい感電する事故が増えています。コンセント位置については高めの設置が安心ですが、場所よってはそうもいかない場合もあるので、「コンセントカバー」を利用しましょう。
スイッチの位置を高めに設置すると子供が届きにくいので安全ですが、低めに設置することにより小さな子どもでも届くので親の手を借りることなく利便性が高まります。 - 床は滑りにくいだけでなく、衝撃を吸収してくれる材質にします。
- 転倒して頭などをぶつけた時に大事故にならないよう、できるだけ「角」のでない設計にし、「角」には丸みを持たせるようにします。
- 階段には転落によるけがを軽減させるための滑り止めクッション・転落防止のための握りやすい階段手すりを付けます。
- 転落防止のため「窓」には子どもの手の届かない位置に「補助錠」を設置し施錠します。窓の近くに足がかりとなる家具を置かないようにします。
3.浴室・トイレ
- 浴室での転倒を防ぐため、滑りにくい床にし、握りバーを数か所に設置します。
- 「おぼれる」を防ぐため脱衣室とトイレの扉にチャイルドロックを設置します。
4.キッチン
- システムキッチンの引き出しや包丁差しなどはチャイルドロック装備のものにするか、後付けで自分で取り付けます。
- IHクッキングヒーター・ガスコンロともチャイルドロック機能付きを設置します。
5.ベランダ
ベランダからの落下事故が増えています。下記、東京都生活文化局消費生活部生活安全課リーフレット「子どものベランダからの転落事故に注意」より抜粋
- 1.足がかりにならないデザインの手すりを設置します。
- 2.手すりの高さが床面から110㎝(できれば120㎝)以上
手すりに足がかりがある場合は、そこから高さ80㎝(できれば90㎝)以上 - 3.手すりの下部や格子館などの隙間が11㎝(できれば9㎝)以下
- 4.エアコンの室外機などが手すりから60㎝以上離れている
- 5.ベランダの出入り口は施錠し、子供の手の届かないところに補助錠を設置し施錠します。
6.・・・おわりに
「ころぶ」「落ちる」「ものがつまる」「おぼれる」「やけど」などの事故は高齢者にとってもリスクが高くなります。そして家族の一員であるペットにとってもリスクは高いですね。「子どもに安全な住まいはみんなにやさしい」のです。
ご参考までに
東京WEB
ヒヤリ・ハット調査「乳幼児の転落・転倒による危険」