目次
- 1.奨学金返還中でも住宅ローンは組めます。
- 2.奨学金返金額は住宅ローン融資可能額に影響するのでしょうか?
- 3.金融機関融資可能額計算方法
- 4.住宅ローン申込時に気を付けること
- 5.「奨学金返還の滞納について」
- 6.個人信用情報機関に登録されるとどうなるのでしょう
1.奨学金返還中でも住宅ローンは組めます。
詳しくは後述しますが、遅滞なく奨学金を返還していれば住宅ローンを組むことに問題はありません。
2.奨学金返金額は住宅ローン融資可能額に影響するのでしょうか?
影響します。
住宅ローンを組む場合には、金融機関はその人の年収に対して「この金額までは融資できますよ」と融資可能額を提示してきます。
それは、年収に対する年間返済額の比率を基に決まります。
奨学金返済金・自動車ローン・その他のローンの返済がある場合には、その返済額も合わせて返済比率の中に納まるように計算されます。
3.金融機関融資可能額計算方法
*金融機関によって審査金利が異なりますので、正確な融資可能額は借入希望の金融機関でご確認ください。
- ①下記の表1から自分の年収と返済比率を確認して返済比率の額を計算します
年収×返済比率=A - ②下記の表2から返済期間による毎月返済額を確認して融資可能額を計算します。
A÷12ヵ月÷100万円借りた場合の返済期間による毎月返済額×100万円
年収650万円の融資可能額を計算してみましょう。
- ①650万円×35%=227万5千円・・・返済負担率による年間返済額
- ②227万5千円÷12÷4,428円×100万円≒4,280万円・・・融資可能額
1.年収別に設定されている一般的な返済比率
返済比率 | 税込み年収 |
---|---|
25%以下 | 300万円未満 |
30%以下 | 300万円以上400万円未満 |
35%以下 | 400万円以上700万円未満 |
40%以下 | 700万円以上*一部、設定のない銀行もあります。 |
*金融機関によっては基準が異なります。
2.100万円借りた場合の返済期間による毎月返済額の目安
35年 | 34年 | 33年 | 32年 | 31年 |
---|---|---|---|---|
4,428円 | 4,488円 | 4,553円 | 4,621円 | 4,695円 |
30年 | 29年 | 28年 | 27年 | 26年 |
4,775円 | 4,860円 | 4,953円 | 5,053円 | 5,161円 |
25年 | 24年 | 23年 | 22年 | 21年 |
5,279円 | 5,407円 | 5,548円 | 5,702円 | 5,872円 |
*金融機関住宅ローン審査で使われることの多い4%で計算(金融機関によって異なります)
- ①650万円×35%=227万円5千円・・・返済負担率による年間返済額
- ②227万円5千円ー24万円=203万円5千円・・・年間返済額ー奨学金年返済額
- ③203万円5千円÷12カ月÷4,428円×100万円≒3,820万円
借りられる金額は3,820万円となります
自動車ローン・その他のローンがある場合には②で年間返済金を引いて計算します。
4.住宅ローン申込時に気を付けること
住宅ローンを申し込む時に、現在返済中のローン(その他借り入れ)があるか問われます。
奨学金も現在返済中のローンになりますので申告漏れのないように気を付けましょう。
また奨学金の他に自動車ローン・その他ローンのある場合はそれも申告漏れのないように気を付けましょう。
5.「奨学金返還の滞納について」
奨学金の返還を3か月以上滞納すると、その個人情報が個人信用情報機関に登録されます。滞納なく返還していれば登録されません。
詳しく独立行政法人日本学生支援機構のHPでご確認ください。
6.個人信用情報機関に登録されるとどうなるのでしょう
金融機関では住宅ローンの審査にあたって、全国銀行個人信用情報センター(KSC)・日本信用情報機構(JICC)・シー・アイ・シー(CIC)という個人信用情報機関で個人信用情報を調べます。ここにはクレジットカード・自動車ローン・携帯電話の割賦払い・債務整理などの個人の信用情報・奨学金の滞納の情報が登録されています。
ここに延滞や滞納の情報が残っていると住宅ローンの融資がおりないということがおこりますので充分に注意しましょう。
また延滞や滞納の情報は完済後5年間は削除されませんので心配な場合は自分の個人信用情報を照会しておくとよいでしょう。