目次
- 1.大規模な自然災害でローンの返済が困難になった時はどうする?
- 2.ガイドラインを利用できる条件とは
しばしば大きな自然災害に見舞われる日本。
貴重な命が失われ、職場やすまいに大きな損害を被ったりしています。そのために住宅ローンや自動車ローン、事業性ローンの返済が困難になるケースもあります。
そうした被災者が一定の要件に該当した場合に生活や事業を再開できるように「破産」等によらない債務整理の方法があります。それが「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」です。
1.大規模な自然災害でローンの返済が困難になった時はどうする?
「自然災害債務整理ガイドライン」に基づいた債務整理が可能です。
簡単にお話しすると、自然災害の影響で住宅ローンの返済を「免除」「減額」を申し出ることができるということです。
地震・台風・豪雨・火山の噴火などの自然災害により住居や職場を失った上、住宅ローンや自動車ローン、事業性ローン等の返済ができなくなってしまう場合もあります。そうした「債務」を整理するためには「破産」や「再生」という法的手続きがあります。このような法的手続きにより債務整理を行った場合には「個人信用情報」としてその事実が登録されます。その結果、生活や事業を再建するための資金の借入が受けられないという問題が生じることがあります。債務者にとって債務整理にあたるには、その後の生活再建や事業再建がなるべくしやすい手続き方法を選びたいところです。
「自然災害債務整理ガイドライン」に基づいた債務整理は個人信用情報に登録されないめ、その後の借入に影響しません。
2.ガイドラインを利用できる条件とは
詳しくは、ローン借入先の金融機関にお問い合わせください
- *債務者の財産のや収入、信用、債務総額、返済期間、利率といった支払い条件、家計の状況等を総合的に考慮して判断するなど一定の要件を満たすこと、ローンの借入先の同意が必要となります。
- *簡易裁判所の特定調停手続きを利用することが必要となります。
メリットは?
- その1 : (債務整理)手続き支援が無料
- ⇒弁護士等の「登録支援専門家」による手続き支援を無料で受けられます。
*弁護士のほか、公認会計士、税理士、不動産鑑定士。なお、特定調停手続きの利用に関する費用は、債務者ご自身に負担していただくことになります。(後述) - その2 : 財産の一部を手元に残せる
- ⇒具体的には、債務者の被災状況や生活状況などの個別事情により異なります。
- その3 : 個人信用情報として登録されない
- ⇒債務整理をしたことが個人信用情報として登録されないため、新たな借入れに影響しない。
手続きの流れ
- ①手続き着手の申し出
- 最も多額のローンをかりている金融機関へ、ガイドラインの手続きに着手することを申し出ます。その際、金融機関から聴取されますので、借入先・借入残高・年収・資産(預金等)の状況を整理しておきましょう。
- ②登録専門家による手続き支援を依頼
- 上記①の金融機関から手続き着手について同意を得られたら、地元弁護士会などを通じて「東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関」に対し、「登録支援専門家」による手続き支援を依頼します。「「登録支援専門家」は、中立・公正な立場から債務清栄の手続きを支援する専門家です。弁護士のほか、公認会計士・税理士・不動産鑑定士ですが、弁護士以外は一部業務を実施できません。
- ③債務整理開始の申し出
- 「登録支援専門家」の支援を受けて、申出書や財産目録などの必要書類を作成し、債務整理の対象としようとするすべての金融機関に、債務整理の申し出を行います。申出後は債務の返済や督促は一時停止となりますが、資産や負債の額を維持する必要があります。
- ④「調停条項案」の作成
- 「登録支援専門家」の支援を受けながら、債務整理の内容(ローンの免除・減額)を盛り 込んだ「調停条項案」という書類を作成します。
- ⑤「調停条項案」の提出・説明
- 「登録支援専門家」を経由して、金融機関等へガイドラインに適合する「調停条項案」を提出し説明します。1か月以内に同意するか否かの回答を金融機関がします。
- ⑥特定調停の申立
- 債務整理の対象にしようとするすべての金融機関等から同意が得られた場合、簡易裁判所に特定調停を申立ます。この調停には、原則として、債務者自身が参加する必要があり、申立費用は債務者自身の負担になります。
- ⑦特定調停手続きにより調停条項が確定すれば、債務整理が成立となります。
自然災害でローン返済に困ったときには、ローン借入先金融機関に問い合わせましょう。
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