令和3年度税制改正
ー住宅借入金等特別控除(通称:住宅ローン控)ー

目次

  1. 1.【住宅ローン控除適用要件】
  2. 2.【住宅ローン控除を受けるためには】
  3. 3.【確定申告をする場所は?】
  4. 4.【確定申告の手続きをする方法は?】
  5. 5.【必要な書類】

*掲載日時点の制度に基づいて解説しております
住宅ローン控除とは正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。
住宅ローンを組んで、マイホームを購入したり、省エネやバリアフリーなど特定の改修(リフォーム)工事をしたりすると、年末の住宅ローン残高の1%が10年間にわたり所得税から控除される制度をいいます。(控除しきれなかった場合は13万6,500円限度に翌年の住民税から控除される)
令和3年度税制改正により「住宅借入金等特別控除」の適用要件に住宅物件の契約期限・入居期限が加わり、控除期間も13年に延長されます。さらに所得制限付きで40㎡以上の住宅も控除対象となりました。

1.【住宅ローン控除適用要件】                         

【住宅物件の契約期限・入居期限・控除期間】
コロナによる入居遅延は問わない
新築または購入した日から6か月以内に居住し、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで居住していること
契約期限 入居期限 控除期間
注文住宅 令和2年10月
~令和3年9月
令和3年1月
~令和4年12月
13年間
分譲住宅
中古住宅
リフォーム
令和2年12月
~令和3年11月
床面積(2021年~2022年に入居の場合)
床面積は内法面積(壁の内側で測定=登記記録に記載)
合計所得金額 1,000万円以下 40㎡以上~50㎡未満(居住用床面積が1/2以上)
合計所得金額 1,000万円超 50㎡以上(居住用床面積が1/2以上)
住宅ローン控除を受けるための所得制限
合計所得金額 3,000万円以下
*3,000万円を超えた年は住宅ローン控除は受けられない
住宅ローンの借入期間
10年以上であること
住宅ローン控除額
1年目~10年目 住宅ローン年末残高×1%
*一般の住宅=40万円限度
*長期優良住宅・低炭素住宅=50万円限度
11年目~13年目
  • ①②いずれか小さい額

    ①借入金年末残高の1%(*4,000万円限度)
    ②建物購入価格(税抜き)の2%÷3(*4,000万円限度)
    *長期優良住宅・低炭素住宅=5,000万円限度

  • 3年間の控除額合計
    一般の住宅=80万円限度
    長期優良住宅・低炭素住宅=100万円限度
注:住宅ローン控除は住宅ローン利用者の金利負担を軽減するための制度ですが、昨今では変動金利など住宅ローンの金利が控除率の1%を下回ってしまう問題が出ています。年間の利息額合計が控除額を上回っていることが理想です。そのため、住宅ローンの年末残高の1%か年間の利息額合計の少ない方の金額を控除するなど、令和4年度の税制改正で見直すこととされています。入居時期が令和4年4月1日以降になると控除額の計算は税制改正後の計算式となります。
中古住宅の場合は上記適用要件に加え
・耐震性能を有していること
⇒築年数が一定以下であること
*木造など耐火建築物以外:20年以内に建築された住宅であること
*鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造など耐火建築物の場合:25年以内に建築された住宅
・下記のいずれかにより現行の耐震基準に適合していることが確認された住宅であること
*耐震基準適合証明書
*既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)
*既存住宅売買瑕疵保険に加入

2.【住宅ローン控除を受けるためには】                      

自営業の方は毎年の確定申告
会社員の方は住宅を購入した翌年は確定申告をし、次の年からは会社の年末調整で行います。

  • 重要
    ただし、所得税の額から控除しきれなかった住宅借入金等特別控除がある場合、翌年度分の個人住民税額からその控除しきれなかった金額を控除できる場合がありますので、原則として確定申告の期間内に確定申告書を所轄税務署に提出します。

3.【確定申告をする場所は?】                           

住まいの地域を管轄する税務署です。
*税務署ではなく会場を指定される場合もある

4.【確定申告の手続きをする方法は?】                         

  • ①税務署から確定申告書を入手するかWEbページからダウンロードして記入(インターネット上でも作成できる)し持参する
    もしくは税務署で相談しながら記入をする
    ⇒不備があった場合、その場で対応してもらえる
  • ②税務署から確定申告書を入手するかWEbページからダウンロードして記入(インターネット上でも作成できる)して郵送する
    ⇒受付け印を押した確定申告書の控えの返送を希望する場合は必要書類とともに下記を同封する
    ①確定申告書の控え(原本と同じ内容で記載したもの)
    ②返信に必要な金額の切手を貼った返信用封筒
    ⇒郵送の期限は確定申告書の提出期限日と同日の通信日付印(消印日)となる
  • ③税務署に行き、確定申告書作成コーナーにてe-taxを使用して作成して申請する
    ⇒市区町村のHP・国税庁HP確定申告特集で確認できる
  • ⑥国税庁のHPの確定申告書作成コーナーで作成し、e-tax(インターネット)で申請
    ⇒事前申請が必要

5.【必要な書類】                                 

書類名 入手先
「確定申告書」

確定申告書A=会社員・パート・アルバイト

確定申告書B=個人事業主・副業などで事業所得がある会社員

国税庁のHP
税務署
「特定増改築等」の場合
住宅借入金等特別控除額の計算書
国税庁のHP
税務署
「本人確認書類」

運転免許証やパスポートなどの本人確認書類と下記①②のいずれか

①マイナンバーカード
②マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票

市区町村役場
登記事項証明書(建物・土地) 法務局
土地・建物の不動産売買契約書(工事請負契書)の写し 不動産会社と契約した書類
「残高証明書」
住宅ローンの残高を証明
住宅ローンを借り入れした金融機関
「一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合」

耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写し

契約した不動産会社
「長期優良住宅・低炭素住宅の場合」

通知書の写し

契約した不動産会社

ご不明点等は税務署にお問い合わせください

確定申告に関する情報の総合窓口
「国税庁確定申告特集」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm